……今夕方の6時40分くらいなんですけど、気分がすぐれません。
これは、まぁ、仕方ない症状なんですけどね。訳なく胸がざわついたり、落ち着きがなくなってきたり、集中力がなくなるんですよ。
日記に向かって書き付ければ、すこしはマシになるんですけど、今、自分に自制をかけて打ってるんですよ。衝動的な何かが腕とかにくっついて、破壊的な衝動があるんですよ。
それを理性で無理矢理押さえ込んでいるような感じです。
すごいキツイです。

今朝、丸ノ内線にのっていたら、隣の女の子が泣いてました。
事実だけ書いてしまえばそうだけれど、…………。

最初は何だろうかと思った。
彼女の紺のセーターに、雫がポロポロ落ちた。私にはそれが直感的に涙だとわかった。
彼女の顔は長く垂らした前髪と横髪でわからない。ただ、白くて触ったらわらかそうな頬と、小さな可愛らしい鼻だけが、髪と髪の間から見えた。
「(なんで泣いてるのかな…。)」
泣いているんだ。という事実を分かった瞬間に、私には何が出来る?という自問の問いが浮かんできた。
それは、たぶん、私が似たような経験をしたからだろう。
だが、そうかといって、私が彼女に声をかけることは出来なかった。
空気がおもく漂う地下鉄の列車。息苦しい車内。拒むように俯いた彼女。周りのことに気をとられて、声をかけるか、かけまいか、悩む私。
手をのばしたら、触れることなど容易い程の距離。
……けれど私は、何も出来なかった。
「(あたしって、無力なんだ………。)」
ホームに降り立つ時、そう思った。
そして彼女はエスカレーターの行列の中に消えた。
……ただ一言、「大丈夫だよ」って言ってあげたかったなぁ。

彼女を見ていると、私まで泣きたくなる。
人が笑っている時に私は笑わない時があるけど、人が泣いているのを見ると、何故だか涙が出てくる。
……私が、同調していくのだ。

病院の先生から、当たり前のことをもっとちゃんと、と言われた。
けど、日常的な当たり前のことってなんだろう?
わかりかけた私だったが、結局私は非日常的なことを考えてるし、一体何に力を入れればいいのか、何から力を抜けばいいのか、分からないままだ。
手が、震える。涙をこらえると、喉が締め付けられるように痛い。
私はこの痛さが大嫌いだ。
自分の弱さみたいで、ぶち壊したくなる。
学校へ行くとき、嫌なことばかりが頭を駆けめぐる。その時、頭痛がする。目眩みたいな、痛みをした頭痛だ。
学校に着くと消える。学校にいるのは好きじゃない。勉強があるっていうのも関係するけど、人がいるのがすこし辛い。それが幸いな時もあるけど……。
私が見てる光景に、たまに目を塞ぎたくなる。耳も。何もかも。
そうすると、私の中から嗤いかけてくる奴がいる。
――私だ。
その正体に気付いたのは最近だけど、だいぶ前から一緒にいた。
今までは、黒い影のようなものかと思っていたけど、分裂した片割れだったのか。

今日は気分が悪い。勉強も手につかなそうだ。
薬を飲むために、飯を食うのも面倒くさい。気分の波が激しい。くそっ、イライラしてくる。

何だ……。

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