蹴りたい背中

2004年3月9日 読書
ISBN:4309015700 単行本 綿矢 りさ 河出書房新社 ¥1,000 『インストール』で文藝賞を受賞した綿矢りさの受賞後第1作となる『蹴りたい背中』は、前作同様、思春期の女の子が日常の中で感受する「世界」への違和感を、主人公の内面に沿った一人称の視点で描き出した高校生小説である。 長谷川初実(ハツ)は、陸上部に所属する高校1年生。気の合う者同士でグループを作りお互いに馴染もうとする…

レビュー
読んでからの感想は「あー、まぁ面白かったなぁ」です。
以前にも書いたとおり、文章はサラリとしてテンポは良いのですが、どうにも軽いなぁーという印象でした。
あと、山場もない…という感じなので、日常をリアルに書いた日記のようなものとして受け取れました。
ただ、表現の文章はなかなか上手いと思いました。
普段見たこともないような表現で、言葉を使って自由に書いているような感じでした。
見ていて、人の印象や暗さ、不器用などの表現が、よく上手に現れている気がします。
こうしてみると、やっぱり文芸界には風を吹かせたんだなぁと思います。
ただ、芥川賞までいくのかなぁ?という感じではありますけど、優れた新人ということなのでしょう。

万人受けとはいきませんが、芥川賞の繁栄と、綿矢りささんの更なる活躍を期待して。

<芥川賞受賞作品・蹴りたい背中/綿矢りさ>
これからも頑張ってください。

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